◆◇◆………………………………………………………………………………………… 連載記事「よくわかる子ども・子育て支援新制度 第48回」 …………………………………………………………………………………………◆◇◆ 新制度開始から間もなく5年。いわゆる「5年後の見直し」の議論は最終盤を迎え、 公定価格の見直しに関する議論が急ピッチで進められています。 10月に続き11月中にも2回、国の子ども・子育て会議が開かれ、これまでの「検討事項」から一歩進み、 とりまとめ段階の「対応方針について(案)」が示されました。 無償化の検証という新しい課題も指摘されるなか、新制度開始時から掲げられていた「0.3兆円質向上」が 未だに達成できていないなど、大きな課題を残したまま、次の5年に入りそうな気配です。 企業主導型保育事業については、実施団体の募集が11月末で締め切られ、選考段階に入りました。 選考手続きと、継続的な点検・評価を行っていくため「点検・評価委員会」が新たに発足し、 まず「選定要領」について検討、決定されています。 ただこのペースだと、新たな事業者募集は年内には間に合わず、年明けにずれ込んでしまいそうです。 (1)新着情報 前号以降、内閣府子ども子育て本部HP等での新情報は次の通り。日付は情報が発出された日です。 11月8日 令和元年度「保育安全研修会」のご案内について を掲載(企業主導型保育事業ポータル) 保育施設での子どもの事故防止に向け、企業主導型保育事業実施事業者の経営層・管理者等を対象とした研修会です。 9月26日に委託先が決定し(株式会社ベネッセスタイルケア)、全国11会場で13回の開催が告知されたものです。 本メルマガの発行時点ですでに、札幌と仙台は実施済み。また、大阪、神戸、福岡は満席となっています。 https://www.kigyounaihoiku.jp/info/20191108-01 令和元年度保育安全研修会のご案内について https://hoiku.benesse-style-care.co.jp/lp/safety_training/ 11月8日 【企業主導型保育事業における助成決定取消について】 を掲載(企業主導型保育事業ポータル) またか、の感もありますが、今回は会社ぐるみではなく一部の担当者が引き起こした事件、という情報もあります。 東京に本社を置き(当時)と富山で人材派遣やカウンセリングを行っていた企業が、富山に保育所を開設した際に、 工事費用の水増し請求を行っていたことが、この企業の会計監査の際に判明したとのこと。 経営者の目が届きづらい場所で行われた不正ということですが、こうした不正を児童育成協会が多量に見逃していたわけですから、 しっかりした実施機関の選定と、実施体制の維持がとても大切だと改めて思わされます。 https://www.kigyounaihoiku.jp/info/20191108-02 企業主導型保育事業助成決定取消一覧(2019/11/8付)(PDF形式:56KB) https://www.kigyounaihoiku.jp/wp-content/uploads/2019/11/torikeshi_191108-01.pdf 11月13日 「子ども・子育て会議(第48回)、資料・動画」を掲載 前回開催から2週間もたたない11月12日に実施されました。 前回での委員からの指摘や要望を受けて、表現の修正や方向性の変更も含めた修正、追記が行われています。 そうした資料に関して、従来通り委員から意見、要望が出され、進み方としては従来どおりで大きな変更はありません。 第48回 配布資料 https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/meeting/kodomo_kosodate/k_48/index.html 資料1 公定価格に関する検討事項について (PDF形式309KB) https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/meeting/kodomo_kosodate/k_48/pdf/s1.pdf 資料2 子ども・子育て支援新制度施行後5年の見直しに係る対応方針についての議論の整理(公定価格関係以外) (PDF形式:133KB) https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/meeting/kodomo_kosodate/k_48/pdf/s2.pdf 参考資料 委員提出資料 (PDF形式:1,047KB) https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/meeting/kodomo_kosodate/k_48/pdf/ref.pdf 第48回(11/12実施)動画:約1時間19分 http://wwwc.cao.go.jp/lib_004/shoushi/20191112_kosodate01.html 11月18日 子ども・子育て支援交付金 実施要綱「一時預かり事業」 の一部改正について を掲載 台風19号の被災地(災害救助法が適用された市町村)の子どもを対象に、一時預かりに「災害特例型」が新設され、無償で利用できるものとされました。 通知>通知本文 (PDF形式:332KB) https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/law/kodomo3houan/pdf/r011118/ichiji_azukari.pdf 11月22日 子育てのための施設等利用給付支弁台帳について 資料・参考様式 を掲載 無償化に伴う通知です。 国公立の保育施設について、施設等利用費の無償化をおこなった分の費用を、台帳にとりまとめるよう通知されたものです。 私立の施設には影響しません。 通知 資料(通知本文を含む)(PDF形式:239KB) https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/law/kodomo3houan/pdf/r011122/s1.pdf 参考様式 (Excel形式:34KB) https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/law/kodomo3houan/pdf/r011122/youshiki.xlsx 参考様式 (PDF形式:20KB) https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/law/kodomo3houan/pdf/r011122/youshiki.pdf 11月25日 子ども・子育て支援交付金 交付要綱 子ども・子育て支援交付金の交付について(一部改正) を掲載 11月18日に発出された「災害特例型」の一時預かり事業に関連した改正です。 通知>通知本文(PDF形式:410KB) https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/law/kodomo3houan/pdf/r011125/shien_koufu.pdf 改正後全文(PDF形式:794KB) https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/law/kodomo3houan/pdf/r011125/kaisei_zenbun.pdf 11月26日 企業主導型保育事業点検・評価委員会 第1回(11月25日実施)の会議資料 を掲載 企業主導型保育事業について、国及び国の補助事業者として企業主導型保育事業に要する経費を補助する事業の実施主体となる機関が 適切な役割分担を図りながら事業を効果的・安定的に運営していく実施体制の構築に資するため、 企業主導型保育事業点検・評価委員会 が開催されることとなりました。 この委員会は実施機関の選定も行うため、初回会合では「選定要領」について議論し、決定されています。 https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/meeting/etc.html 会議資料 次第 (PDF形式:11KB) https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/meeting/kigyounai/hyouka-k_1/pdf/shidai.pdf 資料1 (PDF形式:241KB) https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/meeting/kigyounai/hyouka-k_1/pdf/s1.pdf 資料2-1 (PDF形式:401KB) https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/meeting/kigyounai/hyouka-k_1/pdf/s2-1.pdf 資料2-2 (PDF形式:239KB) https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/meeting/kigyounai/hyouka-k_1/pdf/s2-2.pdf 資料2-3 (PDF形式:691KB) https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/meeting/kigyounai/hyouka-k_1/pdf/s2-3.pdf 資料2-4 (PDF形式:189KB) https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/meeting/kigyounai/hyouka-k_1/pdf/s2-4.pdf 資料3 (PDF形式:503KB) https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/meeting/kigyounai/hyouka-k_1/pdf/s3.pdf 委員提出資料 (PDF形式:326KB) https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/meeting/kigyounai/hyouka-k_1/pdf/s4.pdf 委員会の意見を踏まえ、資料3の企業主導型保育助成事業実施機関選定要領が決定されました。(11月26日) 企業主導型保育助成事業実施機関選定要領 (PDF形式:482KB) https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/meeting/kigyounai/hyouka-k_1/pdf/youryou.pdf 11月26日 令和元年度「幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査」のクロス集計結果(速報値)を掲載しました 同日開催の子ども・子育て会議において、参考資料1として配布されたものと同じものです。 速報値ではありますが、クロス集計(いろんな条件の組み合わせごとに分析した集計)なので、 全体で200ページ近い分量があります。 表紙・目次(PDF形式:12KB) https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/data/pdf/chousa/cross/cover.pdf I 収支状況(PDF形式:386KB) https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/data/pdf/chousa/cross/01.pdf II 職員別1人当たり給与月額の状況(PDF形式:640KB) https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/data/pdf/chousa/cross/02.pdf III 職員配置の状況(PDF形式:630KB) https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/data/pdf/chousa/cross/03.pdf IV 処遇改善の状況(PDF形式:759KB) https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/data/pdf/chousa/cross/04.pdf V 処遇改善等加算の取得状況等(PDF形式:79KB) https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/data/pdf/chousa/cross/05.pdf 11月27日 特定子ども・子育て支援施設等の指導監査について を掲載 無償化に伴う通知です。 無償化の対象施設は、これまで必ずしも市町村の厳格な監査対象となっていなかった認可外保育施設などにも拡大しました。 数が増した施設について、対象をきちんと把握し、適切に指導監査していくためには、都道府県との協力や役割分担などが 必要になります。そうした状況を支援するため、国が参考となる指針を作り、都道府県等に対して提供したものです。 この内容は自治体を縛るものではなく、具体的な取り組みは、各都道府県等で決められます。 通知>通知本文(PDF形式:614KB) https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/law/kodomo3houan/pdf/r011127/shidou_kansa.pdf 資料(PDF形式:202KB) https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/law/kodomo3houan/pdf/r011127/s1.pdf 11月27日 「子ども・子育て会議(第49回)、資料・動画」を掲載 今回からいわゆる「5年後の見直し」のとりまとめ段階に入り、資料も前回までの「検討事項」から「対応方針について(案)」とされています(資料2)。 会議の最後には議長から、次回が年内最後の開催であり、それをもって、議論のとりまとめを終える予定であることが示されました。 経費を減らすべく「包括方式」の採用が提起されていたところですが、各委員からは従来通りの「積み上げ方式」に賛同する声が多く、 一橋大学の小塩教授も、個別の経費が適切かどうか見直したうえで積み上げるのであれば、包括方式と考え方は同じ方向性である、との意見が述べられました。 土曜保育については、開所日を基準とする案に賛同が多いものの、安易な土曜閉所を促すようになってはならず、質の確保にも十分配慮されるべきとの指摘もあります。 資料3で、私立幼稚園の新制度移行状況の調査結果報告がありました。大都市圏で移行が進んでいない傾向は続いていますが、移行済・未移行に共通する懸念事項として、 書類作成が煩雑で事務負担が大変、という意見が多くみられています。徐々に様式統一化を進めてはいるものの、10月からの無償化についてもやはり個別様式を使う自治体は多いのが実態です。 保育所には稀な広域利用がよく見られる幼稚園においては、そうした事務負担が大きくなりやすいため、国が主導した一層の取り組みを期待するところです。 第49回 配布資料 https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/meeting/kodomo_kosodate/k_49/index.html 資料1 子ども・子育て会議委員・専門委員名簿 (PDF形式:16KB) https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/meeting/kodomo_kosodate/k_49/pdf/s1.pdf 資料2 子ども・子育て支援新制度施行後5年の見直しに係る対応方針について(案) (PDF形式:105KB) https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/meeting/kodomo_kosodate/k_49/pdf/s2.pdf 資料3 令和元年度私立幼稚園の子ども・子育て支援新制度への移行状況等調査の結果(主な事項) (PDF形式:48KB) https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/meeting/kodomo_kosodate/k_49/pdf/s3.pdf 資料4 「地域共生社会に向けた包括的支援と多様な参加・協働の推進に関する検討会」(地域共生社会推進検討会)の検討状況について (PDF形式:963KB) https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/meeting/kodomo_kosodate/k_49/pdf/s4.pdf 参考資料1-1 令和元年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査クロス集計結果 表紙・目次(PDF形式:12KB) https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/meeting/kodomo_kosodate/k_49/pdf/ref1-1_cover.pdf I 収支状況(PDF形式:386KB) https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/data/pdf/chousa/cross/01.pdf II 職員別1人当たり給与月額の状況(PDF形式:640KB) https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/data/pdf/chousa/cross/02.pdf III 職員配置の状況(PDF形式:630KB) https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/data/pdf/chousa/cross/03.pdf IV 処遇改善の状況(PDF形式:759KB) https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/data/pdf/chousa/cross/04.pdf V 処遇改善等加算の取得状況等(PDF形式:79KB) https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/data/pdf/chousa/cross/05.pdf 参考資料1-2 令和元年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果<速報値>【修正版】 (PDF形式:437KB) https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/meeting/kodomo_kosodate/k_48/pdf/s1.pdf 参考資料2 地域共生社会推進検討会 最終とりまとめ(素案) (PDF形式:68KB) https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/meeting/kodomo_kosodate/k_48/pdf/s1.pdf 参考資料3 次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画策定指針の改正について (PDF形式:454KB) https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/meeting/kodomo_kosodate/k_48/pdf/s1.pdf 参考資料4 委員提出資料 (PDF形式:959KB) https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/meeting/kodomo_kosodate/k_48/pdf/s1.pdf 第49回(11/26実施)動画:約2時間6分 http://wwwc.cao.go.jp/lib_004/shoushi/20191126_kosodate01.html (2)雑感 新制度の「5年後の見直し」の議論がいよいよ終盤に差し掛かっていますが、一部委員からは、今回の見直し内容は貧弱で、 積み残されている課題や、もっと議論していくべき内容が残ったままだという意見も聞かれました。 特に、保育の質向上を実現するための「0.3兆円の財源」については未だ確保されておらず、「質の向上が先送りされたまま」になっていますし、 保育士不足がこれまでになく深刻化する中で、それを解消する有効打は見いだせていません。 公定価格を巡っては、削減したい財務省が各種の審議会などで課題を提起してきていましたが、 最新の経営実態調査で収支差率が大きく減ったことなどもあり、子子会議では概ね現在の水準を維持する方向で議論が収束しそうです。 もちろん、土曜日開所については実態に合わせた調整を行ったり、共同保育が進みやすいようにして効率化を図ったりするなど、 無駄をなくすための修正はなされますが、さほど大きな減額はすべきでないという意見が大勢を占めています。 先日、システムの納品に伺った幼稚園のお客様から、銀行に多量の硬貨を持ち込みむと手数料がかかるようになる、と伺いました。 業界一律ということではなく、銀行ごとに定める手数料ではありますが、調べてみると全国的にそうした銀行が増えてきているようです。 弊社のシステムでは、ひとりひとりバラバラな請求額を、一覧画面から追加入力でき、月極の費用などと合算して口座振替処理ができます。 現金徴収の場合には、受け取ったお金をその場で確認し、まとめてから確認し、銀行に入金するまで、かなりの労力を必要としますが、 システムを使うと大きく手間が減ることから、従前よりお客様に喜ばれているところですが、労力に加えて銀行手数料までかかるとなると、 システムの導入効果も大きくなり、お客様にも一層喜んでいただけるものと思います。 まだ現金徴収をされている園様でも、システムを使った口座振替について、ご検討されてみてはいかがでしょうか。 記事担当 糸山敏郎 掲載された記事を許可なく転載することを禁じます。 Copyright (C) 2019 Hyoubo Kaikei Center. 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