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    3.連載記事「学校法人会計新会計基準について 第17回」
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今回は決算も近づきましたので、今までご説明しました基本金の仕訳について
ご説明いたします。

●第1号基本金の仕訳

①当年度300,000,000円の新校舎が完成し全額自己資金を支払いました。
基本金組入額 300,000,000 第1号基本金 300,000,000
 *注 自己資金で支払った200,000,000円を基本金に組入れます。

②当年度500,000,000円の新校舎が完成したが、200,000,000円を自己資金で支払
 残額の300,000,000円は借入金で支払いました。
 借入金の返済は再来年度より返済を予定しています。
基本金組入額 200,000,000 第1号基本金 200,000,000
 *注 自己資金で支払った200,000,000円を基本金に組入れます。

③建物の借入金15,000,000円を支払いました。
基本金組入額 15,000,000 第1号基本金 15,000,000
 *注 借入金を返済しましたので自己資金で購入したのと同じ扱いとなります。

④当年度教育研究用機器備品を4,000,000円除却して、新しい教育研究用機器備品を
 5,000,000円を自己資金で購入しました。なお、その他科目の当年度取得資産と
 固定資産に関する借入金の返済は存在しないもとのします。
基本金組入額 1,000,000 第1号基本金 1,000,000
 *注 組入なのか取崩なのかは各号単位で判断することになります。

⑤生徒数減少のために老朽化した第2体育館を取り壊した。
 全額自己資本で取得し価格は150,000,000円であった。
 なお、その他科目の当年度取得資産と固定資産に関する
 借入金の返済は無いものとする。
第1号基本金 150,000,000 基本金取崩額 150,000,000
 *注 基本金の取崩ある場合は下記のいずれかの扱いとなります。

  (1)除却又は売却した資産と同一種類の資産を再取得する場合
    1.資産を再取得するまで基本金を繰り延べる。
    2.基本金の取崩対象額が組入対象額を下回る場合、その差額を組み入れる。
    3.基本金の取崩対象額が組入対象額を上回る場合、その差額を取り崩す。

  (2)除却又は売却した資産と同一種類の資産を再取得しない場合
    1.基本金の取崩対象額が組入対象額を下回る場合、その差額を組み入れる。
    2.基本金の取崩対象額が組入対象額を上回る場合、その差額を取り崩す。

●第2号基本金の仕訳
⑥5年後建設予定の新校舎用に校舎建設引当特定資産を300,000,000計上し、
第2号基本金に組み入れた。
基本金組入額 300,000,000 第2号基本金 300,000,000

⑦5年後に10億円の新校舎が完成し、今まで第2号基本金として計上していた
9億円分を1号基本金に振替え
第2号基本金 900,000,000 第1号基本金 900,000,000

●第3号基本金の仕訳
⑧基金の運用果実を奨学金として新たに学術研究基金50,000,000円を設けることとし、
 今後5年にわたって毎年度10,000,000円を積み立てることを理事会で決定した。
基本金組入額 10,000,000 第3号基本金 10,000,000

●第4号基本金の仕訳
⑨事業活動収支計算書の前年度の経常的な支出のうち、決算額を12ヶ月で
 割った金額となります。
 第4号基本金は経常的経費の1ヶ月分を保持するべきであるとの意味になります。

第4号基本金=((人件費-退職金-退職給与引当金繰入額)+
(教育研究経費-減価償却額)+(管理経費-減価償却額)+借入金等利息)÷12

求められた値から前年度の第4号基本金と対比することで「差額を組入れる」
「前年度を保持」「差額を取り崩す」ことになります。






                                                      記事担当 佐藤英雄


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